女勇者【強くてニューゲーム♡】2
226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 14:44:27.90 ID:9k/qoNm4O
【いけにえの町】
町長「……」
町人A「捕らえました!」
町人B「来いこの野郎!なんて事をしてくれたんだ!!」
いけにえの父「…すみません」
町人A「お前一人のわがままで!俺達の家族まで危険な目にあってるんだぞ!!」
町長「…なんという事を…」
いけにえの父「…申し訳ありません!しかし、勇者様達ならばきっと…!」
町長「仮に南の魔物を倒せたとしても、それで終わると思うのかね…」
いけにえの父「…」
町長「……処刑しなさい」
町人A「おら、来い!この疫病神!」
いけにえの父「私のした事は…間違っていない…」
262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 17:29:08.71 ID:9k/qoNm4O
【南の洞窟】
女勇者「来ちゃったね」
戦士「この扉の前に並べてある人骨は…」
魔法使い「今までのいけにえでしょうか…」
僧侶「…」ぐす
魔法使い「僧侶さん、泣いてもしかたないです。今は魔物を倒す事に専念しましょう?ね?」
僧侶「…この子たち、16歳だったんですよぅ…?怖かったでしょ…?」ぽろぽろ
僧侶「せめて…この子たちのために祈らせてくれませんか?」
僧侶「お願いします…勇者様…!」
女勇者「うん…。祈ってあげて。僧侶ちゃんは優しいね」ニコ
266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 17:34:17.10 ID:9k/qoNm4O
僧侶「…お待たせしました。行きましょう」すっ
女勇者「うん。戦士くん、行こっ!」
戦士「うむ。この忌まわしい因果を断ち切ろう」
魔法使い「行きましょう、勇者様」
ガチャ…
きぃ…
魔物「いけにえか?」
僧侶「違います。あなたを倒しに来ました…!」きっ
魔物「ほう、では勇者か。そのくだらん正義感のために町がひとつ滅ぶ…実に愉快だな」
僧侶「私達があなたを倒します…!そうすればあの町も!」
魔物「浅はかな…こんな愚かな者に未来を委ねざるを得ない人間も不憫だな」
魔物「良いだろう、かかってこい!」
267 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 17:39:23.97 ID:9k/qoNm4O
魔物「ふはは、その程度か!よくもそれで挑んできたものだ!」
バキィッ
僧侶「あぅッ…!!」
戦士「僧侶!!」
僧侶「もう…もうMPが……」
魔物「弱すぎる。よくここまで来れたな」
魔物「勇者が最後列で怯えているだけのパーティーに、俺が倒せる訳がない!」
魔物「もう諦めろ。お前達を殺した後、逆らったあの町も皆殺しにしてやる」
女勇者「……」
269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 17:49:30.46 ID:9k/qoNm4O
女勇者「みんな、ごめん…。睡眠魔法(最大)」
ぱぁっ…
戦士「くっ……」トロン
魔法使い「…」
僧侶「……」くた…
魔物「くく、諦めたか?仲間を眠らせるとは」
女勇者「…お願い。あの町を許してあげて」
魔物「ふははは!命乞いか、勇者!心配するな、死ぬお前には関係のない事だ!」
女勇者「…」
魔物「ふん、失望で声も出ないか。つまらん。自分の無力を嘆いて死ね!」
魔物「ぐぉぉおお!!」バキィッ
女勇者は1のダメージを受けた
271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 17:50:44.16 id:RNoWbOKo0
TUEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE
272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 17:51:13.93 ID:9Gj6nOQ8O
女勇者=なのは
279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 18:01:14.62 ID:9k/qoNm4O
魔物「か、顔で平然と受け止めた…?」
女勇者「…お願い。あの町を見逃してあげて」
魔物「なんだと!?俺の全力の攻撃が…?当たらない?当たってるのか?」
バキィッ バキッ バキィッ
1のダメージ ミス ミス
女勇者「許してあげるから」
魔物「バカな!?こんな小娘が…」
女勇者「今までの事は許してあげるから」
299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 19:04:08.16 ID:9k/qoNm4O
魔物「愚かな奴だ、お前がこうしてちっぽけな正義感など携えて乗り込んでくるからこんな事になった」
魔物「いつも通りにいけにえの小娘を一人差し出すだけで、あの町の人間が生きながらえたのに」
魔物「お前が殺したんだ、あの町の人間を!くははははは!!」
女勇者「…そうかもね」ニコ
魔物「な…」
女勇者「少ない人間が犠牲になって、より多くの人間が助かるなら…それも正義なのかなぁ?」
女勇者「わかんないよ、私には。10回目になってもまだわかんない」
女勇者「えへへ、私…バカだからなぁ」
300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 19:08:38.95 id:qDZY6XkF0
10回も同じこと繰り返すのはきついよな…
304 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 19:14:09.25 ID:9k/qoNm4O
女勇者「じゃあどうすればよかったかな?いけにえの子を見殺しにすればよかったの?」
魔物「ふん、気でも違えたか」
女勇者「わかんない。でも、どうせあの町は滅ぶなら」
女勇者「とりあえずお前は倒すよ」ニコ
魔物「笑わせるな。ドレスなど纏った小娘に
ぐしゃ!!!
308 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 19:22:56.23 ID:9k/qoNm4O
魔法使い「…う…?私、また…眠らされてたの…?」
女勇者「!」くるっ
魔法使い「ひっ!?」ビクッ
女勇者「あ…魔法使いちゃん、起きた?大丈夫?」ニコ
魔法使い「あ、ゆ…勇者様…?敵は…?」
女勇者「倒したよ。えへへ、危なかったけど、なんとか…」
魔法使い「敵はどこに…?」
女勇者「魔法使いちゃん、待って。見ない方が良いかも」
魔法使い「は…?」
319 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 19:45:47.16 ID:9k/qoNm4O
魔法使い「…勇者様?」
女勇者「えへへ、さ…皆起こして早く出よう?」
魔法使い「…そうですね。戦士さん、僧侶さん。起きて下さい」ぺちぺち
戦士「…むん?」むく
僧侶「ふぇ?お母さん…?」パチ
322 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 19:49:31.37 ID:9k/qoNm4O
女勇者「ふふ、皆起きた?さぁ、アイテムも手に入れたし、行こうか!」ニコ
戦士「敵が持っていたアイテムか。何かの鍵になりそうだな」
僧侶「そうですね。大事に保管しましょう」
魔法使い「では、いけにえの町に戻りましょうか!」
女勇者「…うん」
325 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 19:53:20.09 ID:9k/qoNm4O
【いけにえの町】
女勇者「…着いたね」
戦士「さぁ、早速あの人に報告しに行こう。喜んでくれるだろう」
魔法使い「そうですね。娘さんも助かったんですし」
僧侶「勇者様?早く行きましょう?」
女勇者「私、行かなくっても良いかなあ?」
僧侶「ふぇ?」
女勇者「えと、ちょっと疲れちゃって……えへへ、ダメだよねやっぱり…」
戦士「疲れているのならばなおさらだ、早く宿に行こう」
女勇者「はぁい…」
326 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 19:57:24.87 ID:9k/qoNm4O
・
・
・
戦士「処刑された!??」
町長「はい。いけにえの件をあなたがたに漏らしたばかりか、助けを求めた罰として」
戦士「バカな!?現にこうして魔物を倒して来たではないか!」
町長「それで解決とはいかないのです。あなたがたのせいでこの町は滅ぶでしょう」
僧侶「な、なぜですかぁ…?」
328 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 20:01:36.91 ID:9k/qoNm4O
町長「南の魔物を倒したところで、我々は助かりませぬ…じきに次の更に強力な魔物が来るでしょう」
町長「そして今度は我々は、いけにえの儀式を放棄し、逆らった人間として扱われる」
町長「…女はさらわれ、男達は皆殺しになるでしょう」
戦士「な…」
町長「さぁ、出ていってくだされ。あなたがたを恨んでいる町人も少なくない」
戦士「く…こんなバカな事があるか!!」
女勇者「戦士くん、行こう…ね…?」
331 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 20:05:42.97 ID:9k/qoNm4O
女勇者「町長さん、申し訳ありませんでした…」ぺこり
戦士「勇者殿…!!」
女勇者「よし行こう、みんな!次の町を目指さなきゃ!」
戦士「く…!!」
町長「…」
女勇者「行くよ、戦士くん!」ぐいっ
戦士「うぉ!?」どてっ
女勇者「あ…ご、ごめん…」
戦士「いや、良い…行こう」
ガチャ
バタン
334 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 20:08:39.32 ID:9k/qoNm4O
少女「お待ち下さい!」
戦士「!」
魔法使い「あら、お嬢さん…どうしましたか?」
少女「あなたがたは、勇者様ご一行ですか?」
僧侶「はい…そうですよぅ」
少女「私は、明日いけにえになる予定だった者。今日処刑された男の娘です」
女勇者「…」
335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 20:09:17.35 ID:72EJ2Kq70
少女は村に居づらいだろうな・・・
338 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 20:14:43.52 ID:9k/qoNm4O
少女「私が死ねば、町は生きながらえ…父も死ぬ事はありませんでした」
戦士「…!」
少女「怖くなかったと言えば、嘘になります。でも私なりに…覚悟を決めておりました」
少女「町を、皆を守るために死ぬのだと。皆、私のために泣いてくれました…」
僧侶「う、うぅ……うぇぇえん……」ぽろぽろ
少女「…でも…私は、あなたがたを憎めません。あなたがたは父の遺志を聞いてくれたのですから」
僧侶「ごめんなさい…ごめんね…」ぽろぽろ
少女「でも、でも!私は…何を憎めば良いんですか…?」
女勇者「私を憎むと良いよ」ニコ
342 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 20:19:58.30 ID:9k/qoNm4O
少女「え…勇者様…?」
女勇者「私のせいで皆を狂わせてしまったんだから」
少女「でも、勇者様は父の…」
女勇者「私はあなたを助けるとどうなるか知っていた。でもあなたを助けたの」
女勇者「あなたのお父さんを殺したのは、私なの」
少女「う…うぅ…うわぁあああん!!」ぽろぽろ
女勇者「さぁ、行こうみんな」すっ
僧侶「ゆ、勇者様っ!!でも!」
女勇者「えへへ、良いんだよー、もう慣れっこだから!行こ!」
少女「うわぁぁん!パパぁ!パパーー!!」
347 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 20:25:01.45 ID:9k/qoNm4O
【次の街・宿屋】
女勇者「ふぅ。今日は疲れたねぇ」
戦士「うむ…」
魔法使い「…」
僧侶「えぐ……ひっく…」
女勇者「僧侶ちゃん、もう泣かないで。私まで悲しくなっちゃうよー」
僧侶「ゆ…しゃ、さまは…なんで平気なんですかぁ…!」
352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 20:30:34.59 ID:9k/qoNm4O
女勇者「…平気じゃないよ。でも、私は…」
僧侶「…うえぇん…」
女勇者「えへ…私は、勇者だからねー!」
戦士「!」
魔法使い「あ…」
僧侶「…!」
女勇者「私が泣いちゃったら、ダメでしょ?」ニコ
女勇者「あはは、ちょっとカッコつけすぎかな…?」
僧侶「……ごめんなさい」
358 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 20:35:37.79 ID:9k/qoNm4O
女勇者「さってと!そろそろお風呂入って寝よう!寝ちゃえばきっと気持ちも晴れるよー」
僧侶「そうですね。しっかりしなくちゃ…」ぐい
魔法使い「勇者様、一緒に入りましょうか?お背中流しますよ」
女勇者「んー、私ちょっと汗かいてからにするよ。先に入っちゃって!」
魔法使い「そうですか?じゃあ…」
女勇者「うん!素振りでもしてくるよ。戦士くん、剣貸してくれる?」
戦士「ああ、構わんが…」
359 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 20:39:36.61 ID:9k/qoNm4O
女勇者「じゃねー、行ってきます」ふりふり
ガチャ
バタン…
僧侶「勇者様、大丈夫でしょうか…?」
魔法使い「一人風呂を好むのはいつもの事ですけど…今日はなにか思い詰めていましたね」
戦士「いや、それよりも…」
僧侶「なんですか?」
戦士「勇者殿が、剣を握るのは初めてだな」
魔法使い「あ。そういえば、武器は持たれた事がありませんね」
僧侶「装備はいっつも皮のドレスだけですもんね…」
364 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 20:44:32.59 ID:9k/qoNm4O
【街の外】
女勇者「えへへ、剣なんて久しぶりに握るなぁ…」
女勇者「戦士くんの覇者の剣借りて来ちゃった」
女勇者「よっと」
ブォォォォオン!!!
女勇者「おー…あはは、軽いなぁ。確か1周目は重くて振れなかったのになぁ」
女勇者「私も強くなったんだな。1周目の仲間達は元気にしてるかなー?」
368 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 20:50:17.94 id:bhHkhiKDO
そうか9つの世界を回っていたのか
376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 20:56:52.63 ID:9k/qoNm4O
女勇者「あ、柄に血が染み付いてる。ふふ、戦士君もがんばってるんだね」
女勇者「戦士くんは男前だし、優しいし…日に日にかっこよくなっていくなぁ」
女勇者「僧侶ちゃんは可愛すぎるし、ちゃんと回復魔法も(大)まで使えるし」
女勇者「魔法使いちゃんはいつもサポートしてくれるし、強力な全体魔法も使えるし」
女勇者「私だけが、成長しない…」
401 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 21:16:17.76 ID:9k/qoNm4O
女勇者「えい、究極の一撃~」
ズバシャアアアア!!!
女勇者「全体回復魔法~(最大)」
ぱぁぁぁ…
女勇者「そらに向かって…極大破壊魔法~」
キュウウン…ズガァァァン!!
女勇者「あ…雲なくなっちゃった」
女勇者「強くなれば何か変わるかと思ってがむしゃらに強くなった事もあった」
女勇者「仲間に打ち明けた事もあった、一人で旅した事もあった…」
女勇者「魔物との共生共存を目指した事もあったのになぁ…」
410 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 21:26:35.32 ID:9k/qoNm4O
女勇者「自爆魔法でも死ねない身体になっちゃったけど、心はまだまだ子供だなぁ」
女勇者「もうわかんないよ…何が正義なのかも見失いそう」
女勇者「あはは、今日の町は何回やってもダメだなぁ。毎回泣いちゃう」ぐい
女勇者「もう、やめちゃいたい…かも」
女勇者「いけないいけない、私は勇者なんだから」ぶんぶん
女勇者「心の回復魔法もあればいいのになー」
女勇者「素振りして気分転換しようかー!」
ブシャア!!ブシャア!!
僧侶「勇者様ぁ~」トテトテ
女勇者「!」ビクッ
424 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 21:36:24.88 ID:9k/qoNm4O
女勇者「僧侶ちゃん?どうかしたー?」
僧侶「えっと…えへへ」
女勇者「?」
僧侶「あの、失礼かも知れませんけど…勇者様が悩んでるのを、私…ほっとけなくて」
女勇者「悩んでる…のかなぁ?えへへ、顔に出ちゃってたか」
僧侶「あの、私がなんとなく思ってただけで、そういう訳じゃ…」
女勇者「ううん、良いんだよ!ありがと僧侶ちゃん」ニコ
434 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 21:48:53.79 ID:9k/qoNm4O
僧侶「ね、勇者様。もしよかったらお風呂、一緒に入りませんか?」
女勇者「え…」
僧侶「今まで一緒に入った事なかったし、ゆっくり勇者様とお話したかったから…」
女勇者「お、お風呂は…あのー…」
僧侶「ダメですか…?」
女勇者「う、わかった。……入ろうか」ニコ
僧侶「はい!じゃあさっそく行きましょう!」すっ
女勇者「あ、手は…」
ぎゅ
437 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 21:50:00.09 id:piVMDLtk0
ここで百合展開wktk
448 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 22:00:26.57 ID:9k/qoNm4O
僧侶「!」
女勇者「……ごめんね、こんな手で」
僧侶「ちょっとびっくりしちゃいました…」
女勇者「やっぱり、気持ち悪いよね?ごめん、隠しとくつもりだったんだけど」
僧侶「勇者様、そんな事ありませんよぅ」ニコ
女勇者「え?」
僧侶「ちょっとボロボロだけど、優しい、女の子らしい手じゃないですか」
女勇者「…えへへ、ありがとう。そんなの言われた事ないよ」ニコ
449 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 22:02:26.30 id:Qery90MFO
僧侶も勇者も可愛い
459 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 22:08:18.05 ID:9k/qoNm4O
【宿屋・風呂】
魔法使い「お帰りなさい、勇者様」
勇者「ただいま!」
魔法使い「失礼だったらすみません。待たせていただきました」
勇者「ううん、そんな事ないよ。ありがとう」
魔法使い「ふふ、じゃあ入りましょうか」
483 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 22:21:24.78 ID:9k/qoNm4O
女勇者「…初めてだねー、一緒にお風呂入るの!」
僧侶「そうですね。なんだか緊張しちゃうなぁ」
魔法使い「僧侶さんはスタイル良いですから…私はお二人が羨ましいですよ」
女勇者「本当、僧侶ちゃんは反則だもんなぁ」くす
女勇者(覚悟を決めるしかないよね…)
する…する…
ぱさっ
488 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 22:23:01.34 ID:0HJi41FAO
ぱんつぬいだ
506 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 22:29:23.91 id:QAqICAC+0
次ぬきどころだよ
516 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 22:33:36.52 ID:9k/qoNm4O
僧侶「…!」
魔法使い「…」ごくり
僧侶(胸元から太ももにかけて、すごいおっきい傷痕が…)
魔法使い(右肩と腹部の皮膚が…あれは火傷の痕でしょうか…)
僧侶(体中に小さな切り傷がいっぱい…)
女勇者「えへへ、ごめん。気持ち悪い……?」
521 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 22:36:22.65 id:Yh4WPr9P0
勇者・・・・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
532 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 22:45:40.57 ID:9k/qoNm4O
僧侶「傷くらいで、私の勇者様への尊敬は変わりません」
魔法使い「その傷に救われた人がたくさん居るんですね。決して恥じるものではありませんよ」ニコ
女勇者「……この傷に、救われた人達…か。これを見て、気持ち悪いと思わないの?」
魔法使い「ふふ。そんな事で揺らぐ程、私達がここまで勇者についてきた気持ちは弱くありません」
女勇者「魔法使いちゃん…」
魔法使い「はい、なんですか?」
女勇者「…泣かそうとしてるでしょ?」
魔法使い「ふふ、ちょっとだけ」ニコ
僧侶「泣くの我慢しないで下さいね、勇者様。たまには私達に、弱い勇者様を見せて下さい」
543 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 22:52:56.12 ID:9k/qoNm4O
女勇者「…」ぽろ
女勇者「!」ぐいっ
女勇者「もう!さっさとお風呂入ろう!素振りしてたから汗臭いんだからー!」だっ
魔法使い「あ、勇者様…そんなに走ると滑って危ないですよ」
つるっ
女勇者「きゃっ!?」
ゴツン!!
僧侶「ひゃあ!勇者様、頭打っちゃいましたよ!?大丈夫ですかぁ!?」
女勇者「えへへ…大丈夫、大丈夫。恥ずかしいけどね…」ちろ
561 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 23:04:18.57 ID:9k/qoNm4O
かぽーん…
女勇者「はぁ…生き返るねー」
僧侶「ふぃー。ちょっと熱いですぅ…」
魔法使い「そうですか?これくらいがちょうど良いですよ」
女勇者「ふふ、僧侶ちゃんはいちいち言う事もやる事も子供みたいだねー。かわいいなぁ」なでなで
僧侶「勇者様はお姉ちゃんみたいですもんねぇ」ニコ
女勇者「そう?私もまだまだ子供だけどなぁ」なでなで
僧侶「私、こうして勇者様に頭撫でられるの好きですよ」ニコニコ
魔法使い「ちょっと、僧侶さん!のぼせてませんか?」
僧侶「ふぇ?」
女勇者「…ん?うわ!」
魔法使い「鼻血出てますよ…!」
562 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 23:05:50.29 ID:3QDw7dTV0
ちょっと僧侶の頭をなでなでしてくるわ
570 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 23:14:17.72 ID:9k/qoNm4O
・
・
・
僧侶「すびばせん…」
女勇者「あはは、僧侶ちゃんならなんでも許しちゃうよー」
魔法使い「ふふ、ほほえましいですね」
女勇者「だねー。魔法使いちゃん、ありがとうね」
魔法使い「はい?」
女勇者「ずいぶん元気もらっちゃったみたいだよ。僧侶ちゃんも、ありがとう」ニコ
僧侶「そんなことないですよぉ」
魔法使い「そうです、私達は仲間なんですから」ニコ
女勇者「うん!大事な仲間だね!」
575 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 23:18:49.33 ID:9k/qoNm4O
女勇者「だからね、二人とも。私の事忘れないでね?」
魔法使い「え?もちろんですよ。忘れたくても忘れられません。ねぇ僧侶さん?」
僧侶「はい!」
女勇者「ふふ、ありがとう。ちょっと涼んで来ようかな。戦士くんは?」
魔法使い「戦士さんは、下の酒場に居ると思いますよ」
女勇者「そっかぁ。ちょっと行ってみるよ!ありがとうね、二人とも!」
魔法使い「はい、行ってらっしゃい」
僧侶「いってらっしゃぁい」ふりふり
583 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 23:25:22.44 ID:9k/qoNm4O
【酒場】
戦士「マスター、もう一杯くれ」
マスター「あいよ。旦那酒豪だねぇ。飲み慣れてるのかい?」
戦士「いや、たまに嗜む程度だ。今日は相棒との別れの日だからな」
マスター「ほう、剣でも折れたかい?」
戦士「ああ…コイツにも世話になった。ゆっくり休ませてやりたい」
マスター「覇者の剣…。あの伝説の鉱物で作られた剣か。そいつを折っちまうとは、相当のやり手だね」
戦士「…それはわからんが…世話になった相棒だからな。別れは惜しいものだ」
女勇者(あ…剣、折れちゃったんだ…)
女勇者(…ごめんなさい、戦士くん)
590 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 23:32:53.80 ID:9k/qoNm4O
女勇者「隣、良いかな?」
戦士「おお、勇者殿。どうぞ」
女勇者「剣折れちゃったんだね…。ごめんね?」
戦士「いや、勇者殿のせいではない。こいつも疲れたんだろう。まるで力尽きたように折れた」
女勇者「戦士くんが素振りしてた時に?」
戦士「うむ。勇者殿から返してもらい、俺が振りに行こうとしたらな」
戦士「持ち上げただけで、根元から折れた。…なんだか、満足げだったよ」
女勇者(本気で振っちゃったからなぁ…)
女勇者「戦士くんは剣を愛してるんだね。剣も幸せだなぁ」
戦士「はは、相棒だからな。最後くらいはこうして杯を共にしたいんだ」
599 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 23:44:43.35 ID:9k/qoNm4O
女勇者「それなのに、このドレス…剣を売ってまで買ってくれたんだね」
戦士「ああ、旅立ってすぐの頃の…。うむ」
女勇者「どうして、そんな大事なものを売ってまで?」
戦士「恥ずかしながら、俺の持論でな」
女勇者「へぇ?聞かせて欲しいなぁー」
戦士「…人に言うほどのものではない」
女勇者「えー、聞かせてよ!お願い!」
戦士「……剣を愛するのはもちろんだが、その剣で守るべき者が悲しんでは意味がない」
女勇者「……」ニコニコ
戦士「だから言いたくなかったんだ。笑って構わんぞ」
女勇者「ん?いや、やっぱり戦士くんはかっこいいなぁと思ってね」ニコ
617 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 23:56:00.35 ID:9k/qoNm4O
戦士「……」
女勇者「マスター、私にもカクテルを一杯くださいなー」
戦士「大丈夫なのか?勇者殿は未成年では…」
女勇者「大丈夫だよ。ちょっとだけだしね」
戦士「まぁ宿屋の下だから大丈夫か…。もし潰れてしまってもすぐに運べる」
女勇者「えへへ、頼りになるなぁ。じゃあ潰れたらよろしくね」
戦士「出来るだけ無理はしないようにな」
マスター「はいよ、嬢ちゃん。お待ちどうさま」
女勇者「えへへ、ありがとう。お酒なんて久しぶり」
631 : ◆r3yksmPHg2 :2009/04/19(日) 00:04:32.79 ID:8IAvbb1hO
女勇者「…」くいっ
女勇者「…うん、おいしい」
戦士「マスター、俺にももう一杯」
マスター「あいよ」
戦士「…」ごくっごくっごくっ
女勇者「おお…酒豪だねぇ」
戦士「今日だけだ。次は…平和になってからだといいな」
女勇者「その時は、また一緒にお酒飲もうね」ニコ
戦士「そうだな。今日よりもっと美味い酒が飲めそうだ」
女勇者「…えへへ」
652 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 00:16:25.29 ID:8IAvbb1hO
女勇者「戦士くん、今日の町のことなんだけど」
戦士「……」
女勇者「正義って、なんだろう?」
戦士「……俺も、その事を考えていた。俺たちの行動は正しかったのか……」
女勇者「……わからない。まだ、わからないよ」
戦士「仮にあそこで、あの生贄の親子を見捨てていたら、こうして酒を嗜んでいることなどできない」
女勇者「……もし、もう一回あの選択ができるなら。戦士くんなら、どうする?」
戦士「もう一度あの親子を助ける。エゴかも知れん。だが俺の正義とはそういうものだ」
女勇者「もう一回後悔するかもしれないよ?」
戦士「それでもだ。もしあれを見捨てるような選択をすれば、俺は大切なものをなくしてしまう」
女勇者「それってさ、すごいエゴだよね……それで街がひとつ滅ぶんだから」
戦士「そうだな。しかしそれが俺の正義だ。正義は数や理論で計れるものではない。情こそが俺の正義だ」
女勇者「それが正しいのかはわからないけど…そこまで言い切れるなんて、戦士くんはすごいなぁ」くいっ
661 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 00:27:08.53 ID:8IAvbb1hO
戦士「…言い切らなければ、やりきれないからだ。俺は結局自分の為にこうして…」
女勇者「…自分のための正義、か」
戦士「勇者殿の正義は、自分でしっかりと持っているといい」
女勇者「私の正義は、まだわからないんだよ…」
戦士「ならば見つければ良いだけの話だ。もちろんその責任は大きいが」
女勇者「私の正義が、戦士くんとは違うものかも」
戦士「心配はいらん。勇者殿がどんな正義を見つけても、それを勇者殿が正義だと信じる限りは」
戦士「俺は必ず最後まで勇者殿についていく」
女勇者「…私が悪を正義だと信じたら?」
戦士「俺が目を覚まさせてやる」
女勇者「……」
戦士「……済まない、言い過ぎたか。忘れてくれ」ぐいっごくごく
669 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 00:36:43.15 ID:8IAvbb1hO
戦士「話しすぎた。俺も飲みすぎたかも知れんな」
女勇者「あはは、私も。難しい話しちゃったね」くす
戦士「まったくだ。頭がない二人がこんな話をしても仕方ないか」
女勇者「む…私も頭ないって?」
戦士「ふっ、言葉のあやだ。悪意があるわけじゃない」
女勇者「ふふ、戦士くん」
戦士「む?」
女勇者「ありがとうね……」
戦士「こちらこそ。多くを学ばせてもらった」
女勇者「…えへへ……」
戦士「マスター。もう一杯くれ」
マスター「あいよ。旦那、お暑いねぇ。いやいや、羨ましいよ」
戦士「はは、バカを言え」
686 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 00:54:38.99 ID:8IAvbb1hO
戦士「……」ごくごくごく
女勇者「くぅ……くぅ……」
戦士「……勇者殿」
女勇者「くぅ…くぅ……」
戦士「心配せずとも、こうして居ると普通の女の子だ」
戦士「マスター、そろそろ上がるよ。ご馳走様」
マスター「そうかい。お代はいただいてるよ」
戦士「……勇者殿か?」
マスター「はは、内緒だよって言われてるんでな。それは言えねぇや」
戦士「そうか。ではそれは次にとって置いてくれ。今回は俺が払おう」
マスター「そうかい。次は平和になってから…か?」
戦士「そうなるといいな。その時はまた勇者殿と仲間たちを連れてこよう」
マスター「よろしく頼むよ。期待して待ってるぜ」
戦士「ああ。勇者殿、そろそろ帰ろう。勇者殿」ゆさゆさ
女勇者「…くぅ…ママ……も……ちょっと…」
689 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 00:56:13.61 id:PismbDjx0
最後の一行に萌えた
705 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 01:09:11.01 ID:8IAvbb1hO
【宿屋】
戦士「軽い……」
女勇者「…くぅ…」
戦士(む…いかん、ドレスがはだけてきているな…)
女勇者「くぅ…」こて
戦士「…!!」
戦士「この大きな傷は……間違いなく斬られた跡だ…」
女勇者「……うん…?」
戦士「……守るべき者、か。出来るならば戦わせたくないものだ」
戦士「早く戦いを終わらせなければな、勇者殿」
女勇者「……や…」
戦士「ん?」
女勇者「いやだ…よぅ……くぅ…」
戦士「寝言か…」
712 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 01:17:55.21 ID:8IAvbb1hO
魔法使い「あ、お帰りなさい、戦士さん」
僧侶「勇者様、寝てるんですねぇ。ふふ、かわいい」
戦士「うむ。少し酒を飲んでいたのでな。ベッドに寝かせてやってくれるか」
僧侶「はぁい。勇者様、ベッドで寝ましょうね」
女勇者「う……うぇぇん……」
僧侶「勇者様?」
女勇者「もういやだ…いやだよぉ……!」
僧侶「勇者様、どうなさいましたか?泣かないで…」
戦士「なにか夢を見ているようでな。先ほどから寝言を繰り返しているのだ」
女勇者「……もう………もぅ……くぅ……くぅ」
713 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 01:19:34.93 id:bXvK59DyO
世界を平和にするのは別れがあるからから嫌なのか・・・
737 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 01:46:10.62 ID:8IAvbb1hO
【数ヵ月後・終盤】
女勇者「いよいよ最終決戦も近いねー!」
僧侶「そうですねぇ。長かったなぁ」
魔法使い「いよいよですね。もうすぐ世界に平和を取り戻すことができるんですね…」
戦士「そうだな。もうすぐ俺たちが望んだ世界が実現する」
女勇者「うん!そしたら皆で祝杯あげようね!」
僧侶「えへへ、楽しみだなぁ。きっと楽しいでしょうね」ニコニコ
魔法使い「本当に、今思えば色々ありましたからね」
戦士「うむ。今の俺たちが協力すれば魔王も必ず倒せるだろう」
魔法使い「私たちも強くなりましたもんね。頑張りましょう、勇者様」
女勇者「うん。頑張って、平和な世界にしよう!」
747 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 01:55:08.50 ID:8IAvbb1hO
魔法使い「ここが魔王城への最後の街ですね」
戦士「ここで最終の調達になるのだな。何度も聞くが、勇者殿」
女勇者「はい、なぁに?」
戦士「本当に、その装備でいいのか?」
女勇者「うん!もう随分古くなっちゃったけどねー」
魔法使い「そうですね。勇者様がそれが良いというならば、それで行きましょう」
僧侶「はい!勇者様、すごく似合ってますもんね」
女勇者「えへへ…ありがとう」
749 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 01:57:05.90 id:PismbDjx0
序盤の皮のドレスを大切にしてるんだなー