暇つぶしSS

SS、都市伝説で気に入ったものをまとめていく

女勇者【強くてニューゲーム♡】1

 

 

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 00:56:26.66 ID:9k/qoNm4O
    ガチャ

    母「あら勇者、起きてたのね」

    女勇者「うん!おはようママ」

    母「…今日は旅立ちの日ね」しゅん

    女勇者「そんな悲しい顔しないでよママ。私は大丈夫!」

    母「そうね。あなたは勇者だもの」

    女勇者「そうそう!強いんだからっ。じゃ、行ってきます!」

    母「勇者…」

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 01:00:09.66 ID:9k/qoNm4O
    女勇者「まずは王様に挨拶だっけ。それから仲間を見つけて…」

    女勇者「前回は一人旅、前々回は全員戦士…今回はオーソドックスに行こうかな」

    女勇者「よし!戦士(男)、僧侶(女)、魔法使い(女)に決定!」

    女勇者「ふふ、戦士くんはハーレムになっちゃうなぁ」

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 01:03:17.06 ID:9k/qoNm4O
    ・
    ・
    ・

    女勇者「という訳で、君達が私と共に旅してもらう仲間です!よろしくね」ニコ

    戦士「うむ。出来るかぎりの力になろう」

    僧侶「あ…あの、よろしくお願いします」もじもじ

    魔法使い「よろしくお願いいたします」ペコリ

    女勇者「うんうん、頼りがいのあるメンバーだねっ。よろしく!」

    女勇者(とは言え…みんなレベル1なんだよなぁ…)

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 01:09:47.63 ID:9k/qoNm4O
    女勇者「じゃあ早速だけど、武器防具を揃えようか?」

    戦士「そうだな。戦いに備えよう」

    女勇者「うん!敵は手ごわいからねー。じゃあ戦士くんにはこれっ!買ってあげるよ!」

    【はがねの剣 1500G】

    戦士「ぬぉあ!?こ、これを…俺に?」

    勇者「もちろん。戦士くんみたいな強い人には良い武器が似合うもんね」ニコ

    戦士「かたじけない。有り難く使わせてもらう」

    勇者「ついでに兜と鎧と盾も買っておいたからねー」

    僧侶「あ、あの…勇者様…?」

    勇者「うん?」

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 01:14:19.72 ID:9k/qoNm4O
    僧侶「すみません、その…はじめからお金を使い過ぎじゃないでしょうか…?」

    勇者「僧侶ちゃん」がしっ

    僧侶「ひぁ!?す、すみません私なんかがでしゃばっちゃって…」わたわた

    勇者「ふふふ、かわいいなぁ僧侶ちゃんは。大丈夫大丈夫!お金はあるからね」

    僧侶「そ、そうなんですかぁ…」

    勇者「ちょっと色々あってね。ほら、僧侶ちゃんにも法衣と金の杖!」

    僧侶「うわぁ。これ、私が使っても良いんですか?」ぱぁっ

    勇者「あーん、もう!僧侶ちゃんかわいい!おまけに魔法のイヤリングもつけちゃう!」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 01:16:20.22 id:yh6fezKr0
    かわゆす

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 01:17:54.28 ID:9k/qoNm4O
    魔法使い「…」じーっ

    女勇者「ふふ、もちろん魔法使いちゃんにも。杖とマント、それに道具一式も!」

    魔法使い「わぁ。私うれしいです。お役に立てるよう頑張りますね」ニコ

    女勇者「うん!ふふ、魔法使いちゃんもかわいいなあ」

    戦士「勇者どの。あなたの装備はどうする?」

    女勇者「あ、私?別にいらないかなー」

    戦士「?」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 01:20:01.12 ID:9k/qoNm4O
    女勇者「代わりと言っちゃあなんだけどさ…これ、似合う?」

    戦士「……ドレスだと?」

    女勇者「うんっ。さっき買っちゃったぁ!ちょっとは女の子らしいかな?」

    戦士「あの、非常に似合ってはいるが…何と言うか、旅を嘗めてはいないか」

    女勇者「むぅ…」

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 01:24:26.77 ID:9k/qoNm4O
    女勇者「なめてないよぅ!ちょっと男前だからって勇者をバカにしないでよー」

    戦士「しかしそれでは危険だ。勇者とは言え、君は女の子だ」

    女勇者「女の子でも強いもん!」

    戦士「…女が怪我をするのを見たくないんだ」

    女勇者「…もう。ちょっとドキドキしちゃうじゃない」

    戦士「俺が守れる時は良い。だが自分の身は自分で守るのが鉄則だろう」

    女勇者「大丈夫だよ!危なくなったら助けてね」ニコ

    戦士「う、うむ…」

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 08:02:32.20 ID:9k/qoNm4O
    女勇者「では、装備も調った所で!さっそく旅立ちますよー」
    ニコニコ

    戦士「いざ!」

    僧侶「が、頑張ります…」びくびく

    魔法使い「頑張りますね、勇者様!」

    女勇者「うん!さぁまずは…おっと、モンスターが出たよー」

    魔物「ぐるる…」

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 08:08:02.68 ID:9k/qoNm4O
    戦士「!」ざっ

    僧侶「ひぁ!?モ、モンスター!」

    魔法使い「…怖い…」

    戦士「勇者殿、俺と前衛へ。僧侶は最後列で回復、魔法使いはサポートを頼む!」

    僧侶「は、はぁい!」

    魔法使い「わかりました。勇者様、お気をつけて!頑張って下さい」

    勇者(えへへ…初々しいなぁ。1週目はわたしもこんな感じだったっけ?)クス

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 08:23:06.24 ID:9k/qoNm4O
    戦士「ぬりゃああ!」ばっ

    魔物「ぐがぁーーー」

    ずばっ

    女勇者「ねぇねぇ戦士くん」

    戦士「むん?勇者殿、戦闘中だぞ。集中しよう」

    女勇者「えへへ、戦士くんって強いんだね」ニコ

    戦士「…はっ?」

    魔物(戦士にスキが!)

    魔物「ぎゃーす!」ずばぁっ

    戦士「う!!」ズキ

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 08:23:10.74 ID:+lkAOmIvO
    なんちゅう客観性に満ちた主人公

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 08:28:38.77 ID:9k/qoNm4O
    僧侶「きゃ!せ、戦士さん!回復をっ!」

    戦士「いや…たいした事はない。勇者殿も戦闘に集中してくれ」

    勇者「う~…ごめんなさい」

    魔法使い「よし、火炎魔法の詠唱できました!皆さん伏せて下さい!」

    勇者「今まで詠唱してたんだ…」

    魔法使い「えい、火炎魔法ー!」

    ぼっ

    魔物「ぎゃーー!」

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 08:37:08.20 ID:9k/qoNm4O
    魔物を倒した!

    戦士「危なかったな。…勝ててよかった」

    僧侶「実践は怖いですぅ…」

    魔法使い「ごめんなさい、私がもっと早く魔法を出せるようになれば…」

    戦士「…」ズキズキ

    女勇者「あ、戦士くん…」

    女勇者(腕を怪我しちゃってる…)

    戦士「さぁ、先を急ごう。もっと強くならなければ」

    女勇者(回復魔法(小)…)ボソッ

    ぱぁぁぁ

    戦士「ん?腕の痛みが…なくなった?」

    女勇者「さぁ!戦士くんの言う通りだねー!先を急ごう!」ニコニコ

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 08:47:39.35 ID:9k/qoNm4O
    戦士「まず最初の目的は、北の洞窟にいく事だったな」

    女勇者「そうだよー。近くの村が被害にあってるらしいから、そこの魔物を退治してくれって」

    僧侶「被害…」びくびく

    女勇者「被害って言っても、時々農作物を荒らされるくらいだからね。怖がらなくて大丈夫だよ」ニコ

    魔法使い「あ!あれが洞窟の入口ですね!」

    女勇者「うん!皆、準備は良い?行くよー?」

    戦士「勇者殿。その前に陣形を組み直してはどうだろう?体力の多い私か勇者殿が前、僧侶は最後列にした方が良くないか?」

    女勇者「それもそうだね!じゃ、戦士くんが先頭、僧侶ちゃんが最後!二番目に私が行くよ」ニコ

    戦士「了解だ。さぁ、入ろうか」

    ざっざっざ

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 08:55:24.53 ID:9k/qoNm4O
    女勇者「戦士くん、しっかり誘導してね」

    戦士「うむ。迷ったら済まない」

    女勇者「大丈夫だいじょうぶ!皆のレベル上げにもなるしね」ニコ

    戦士「そうだな。勇者殿は向上心があるな。いいことだ」

    女勇者「向上心…向上心かぁ」

    戦士「?どうかしたか?」

    女勇者「ううん。ありがと」ニコ

    僧侶「あ、あのぅ…勇者様ぁ」トテトテ

    女勇者「僧侶ちゃん、なぁに?」

    僧侶「あの、あの…少しお願いがあるんです…でもただのワガママだし…」

    女勇者「えへへ、全然構わないよ!言ってみて?」

    僧侶「その…最後列、怖いです…」うるうる

    女勇者「!」きゅん

    女勇者「僧侶ちゃんはかわいいなぁもう!よし、じゃあ私と交代しようか」ニコ

    僧侶「すみません…」

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 09:03:45.01 ID:9k/qoNm4O
    戦士「勇者殿」

    女勇者「はいはーい、なんですか?」

    戦士「すまない、道に迷ってしまったようだ…」

    女勇者「えへへ、だろうと思った!さっきから何回も同じところ歩いてるもんね」

    戦士「かたじけない…」

    女勇者「いいのいいの!誰だって最初は迷うよね」

    戦士「?」

    女勇者「それに、レベルアップにもなったじゃない!戦士くんも強くなったでしょう?」

    戦士「うむ…一応レベルは4になったが」

    女勇者「ほら、迷った事もあながち悪いことばっかりじゃないよ!ね?」ニコ

    戦士「そうだな。俺も勇者殿のようにプラス思考を心がけなければ」

    女勇者「えへへ、私はバカなだけだよぅ」

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 09:05:27.48 ID:9k/qoNm4O
    戦士「しかし勇者殿、先ほどから体調でもわるいのか?」

    僧侶「ふぇ?勇者様、体の調子わるいんですか?悪いならすぐ言ってくださいよぉ…」おろおろ

    女勇者「いや、全然?大丈夫だよ?どうして?」

    戦士「さっきから戦闘中も身を守ってばかりなのでな。少し気になった」

    女勇者「…」

    戦士「勇者殿?」

    女勇者「ううん、大丈夫。心配してくれてありがとう」

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 09:11:54.46 ID:9k/qoNm4O
    戦士「まぁ…無理に戦闘に参加せずとも構わない」

    女勇者「…戦士くん」

    戦士「戦いは強制されるものではないしな。ましては勇者殿は女の子だ」

    戦士「武器よりもドレスを望むような子だ。勇者として生まれなければ、別の生き方があっただろう」

    女勇者(…勇者として生まれなければ、かぁ…)

    戦士「しばらくは戦闘は俺たちに任せておくといい。なぁみんな?」

    魔法使い「もちろんです。勇者様、私たちにお任せください」ニコ

    僧侶「勇者様は、私の後ろで応援しててください。頑張りますからね」

    女勇者「みんな…」

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 09:18:49.07 ID:9k/qoNm4O
    魔法使い「そして、ちょっとずつでも良いから戦闘に慣れていきましょう?」

    魔法使い「はじめは見てるだけで良いんです。ちょっとずつでも、必ず戦えるようになります」

    戦士「俺も最初はそうだった。敵が怖くて仕方なかった」

    戦士「しかし場数を踏むほど、恐怖は薄れていくものだ」

    女勇者「ありがとう。でも…私、戦いが嫌いなわけじゃないんだよ。ううん、むしろ好きかも」

    女勇者「ただちょっと訳があって、皆に戦ってるところは見られたくないの。ごめんね?」

    僧侶「良いんですよぅ。皆で協力して、勇者様を守っていきますから」ニコ

    僧侶「だから、怪我したり病気になったらすぐに言ってくださいね?」

    女勇者「僧侶ちゃん…ありがとう」

72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 09:23:23.50 ID:9k/qoNm4O
    僧侶「あ!あそこの扉…」

    魔法使い「…どうやら、最奥部のようですね」

    戦士「皆、準備は良いか?勇者殿、心の準備は?」

    女勇者「えへへ、大丈夫!」

    戦士「ここで待っていてもいいんだぞ?」

    女勇者(…なんだか、こんなに女の子扱いされるの久しぶりだな…)

    女勇者「大丈夫!私も行くよー!」

    戦士「よし、では!いざ!!」

    バタン!!

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 09:29:55.44 ID:9k/qoNm4O
    ボス「なんだ貴様らは?」

    戦士「村人から話は聞いた。お前がここの親玉か」

    ボス「ふん、人間ごときが私に叶うとでも思うのか?かかって来い!」

    女勇者(ここの魔物も変わらないなぁ…)

    女勇者(身体ばっかり大きくて、それに見合った攻撃力もないし)

    女勇者(見かけは怖いけど、実際はただのノロマだもんなぁ)

 

    バシュ!!

    戦士「ぐあぁ!!!」

    僧侶「きゃぁぁあ!せせ、戦士さん!回復魔法ー!!」

    ぱぁぁ

    戦士「はぁ、はぁ、…かたじけない。魔法使い、サポートしてくれ!」

    魔法使い「了解!詠唱の間時間稼ぎをお願いします!」

    ガキィィン!
    バシッ!!

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 09:31:04.95 ID:3QDw7dTV0
    勇者冷めすぎwww

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 09:34:45.79 ID:9k/qoNm4O
    魔法使い「よし、出来ました!戦士さん、伏せてください!」

    戦士「おう!」

    魔法使い「ブツブツブツ…火炎魔法!!」

    ぼぉっ!!

    僧侶「はぁ…はぁ…やりましたか…?」

 

    魔物「なんだ今のは?人間」

    戦士「!!」

    バキッ

    戦士「ぐわぁあ!??」

    女勇者「あ!…レベル4じゃちょっと早かったかな…?睡眠魔法!(大)」

    戦士「む?」ぐら…

    魔法使い「え…え?」ばたっ

    僧侶「すぴー…すぴー…」

76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 09:37:32.12 id:vfW8R0tcO
    来るぞ・・・・・

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 09:42:08.96 ID:9k/qoNm4O
    女勇者「わぁ!僧侶ちゃん立ったまま寝てる!?やーん、かわいすぎ!!」

    ボス「な!?仲間を眠らせた…バカか貴様!?」

    女勇者「ごめんね?私、何回やっても仲間が怪我するの嫌いなの」

    女勇者「この子達まだレベル4だよー?そんな本気になってどうするの?」

    ボス「いや、でもボスは強いもんだし、一回くらい全滅してもらわないと…」

    女勇者「ふぅん、ボスは強いかぁ。じゃあ君も、『勇者は強い』で納得できるんだね?」

    ボス「お前が勇者?フリフリのドレスを着た、武器も持たない小娘が!ははは、笑わせるな!」

    女勇者「勇者がドレス着たら悪いの?」

    ボス「へ?」

    女勇者「ねぇ、勇者がドレス着たらおかしい?」

79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 09:44:10.80 id:Gji9cah00
    地雷踏んだwwwwww

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 09:54:25.85 ID:9k/qoNm4O
    ボス「魔物と戦おうという勇者が、戦闘の場にドレス?はははは!こんな勇者では人間も不憫だな」

    ズカァァァァン!!!!!

    ボス「!?」

    勇者「もう、ひどいこと言わないで」

    ボス(え?え?壁に穴開いてる?外見えてる?)

    ボス(今素手で壁殴った?)

    勇者「女の子なんだよ、これでも」

    勇者「このドレス、戦士くんも似合ってるって言ってくれたんだよ」

    ボス「ふん、その人間も頭がおかしいのだろう!」

    勇者「もうしゃべらないで」

    がしっ

    ボス「うぎゃああああああああ!?な、なんて握力…!?」

    ボス「体重500キロを超える私を…片手で…」

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:02:41.61 ID:9k/qoNm4O
    女勇者「何回会ってもムカつく事ばっかり言って…」

    女勇者「ねぇ、私が望んで勇者に生まれたと思った?」

    女勇者「こんな恰好して、普通の子みたいに暮らしてみたいと思うのがそんなにおかしい?」

    グググ…

    魔物「…ぐぁ…!!」

    女勇者「おかしいよね。私は勇者だもんね!」

    ググ…

    魔物「……!」

    グ…

    女勇者「良いよ、私だって勇者に生まれた責任があるもんね」

    女勇者「バカな魔物に教えてあげる。勇者は強いんだよ」

    魔物「ぎゃああああ!!」

    ぐしゃっ

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:08:06.58 ID:9k/qoNm4O
    ・
    ・
    ・

    【宿屋】

    戦士「はっ!?」ガバッ

    女勇者「あ、起きた?身体は大丈夫?」

    戦士「俺は…敵はどうなった?」

    女勇者「なんとか勝てたよー。皆眠らされちゃって、危なかったけどね」ニコ

    戦士「俺は眠っていたのか…済まない」

    女勇者「えへへ、大丈夫!誰も大怪我はしてないみたいだしね」

    戦士「ここは…宿屋?どうやってここまで…」

    女勇者「うん。私…じゃなくて、通りすがりの人に手伝ってもらって、ここまで皆運んできたんだよー」

87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:11:42.27 ID:9k/qoNm4O
    僧侶「…う~ん?」むくっ

    魔法使い「ん…」

    女勇者「あ、みんな起きたみたいだね。おはよ!」ニコ

    魔法使い「あれ…ここは…?」

    僧侶「あれ?勇者様、ドレスは…?」

    女勇者「え?えへへ、捨てちゃった」

    戦士「捨てた?あんなに喜んでいたのに?」

    女勇者「うん。私は勇者だから、やっぱりあんなの似合わないしね。えへへ」

    戦士「…」

88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:13:12.91 id:skwh1utb0
    このへらへらした笑いの裏は冷めたこと考えてると思うと
    ぞくぞくしてかんじちゃう><

92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:16:47.09 ID:9k/qoNm4O
    女勇者「さ、みんな疲れたでしょう?今日はここで休んで、出発は明日にしようよ」

    戦士「そうだな。今日はゆっくり身体を休めよう」

    僧侶「賛成ですぅ。私疲れちゃって…」

    女勇者「ふふ、僧侶ちゃんったら立ったまま寝てたくせにぃ!」

    僧侶「ふぇ?そ、そうなんですかぁ?」かぁぁ

    魔法使い「まぁ。立ったまま寝るなんて、なかなか出来ませんよ」くす

    僧侶「す、すみませぇん…」

    女勇者「あはは!可愛かったからよし!」

96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:22:12.54 ID:9k/qoNm4O
    戦士「勇者殿…ひとつ頼みがあるんだが」

    女勇者「はいはぁい。なんでもどうぞぉ!」

    戦士「あの…俺も他のメンバーと同じ部屋というのは抵抗があるんだが…」

    女勇者「えー?どうして?」

    戦士「女性と同じ部屋で眠ることはできないな。もう一部屋借りられないだろうか」

    女勇者「うーん、一緒がいいなぁ。二部屋だとお金もかかるし、それに」

    戦士「それに?」

    女勇者「こうやって皆でお話して、パーティの結束を固めたいの!ダメかな?」

    戦士「…むぅ……。わかった、そういう事ならばしかたがないな」

    女勇者「えへへ、ありがと」ニコ

97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:23:13.98 ID:3QDw7dTV0
    僧侶が可愛すぎるんだが

98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:26:11.99 id:skwh1utb0
    むしろ勇者がかわいい

99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:26:42.00 ID:9k/qoNm4O
    僧侶「あ、もう夕方ですねぇ。そろそろお店が閉まっちゃうなぁ」

    魔法使い「本当ですね。なにか必要なものがありましたら買いに行きましょうか?」

    戦士「いや、俺が行こう」

    魔法使い「え?戦士さんが?」

    戦士「うむ。個人的にほしいものもあるのでな。勇者殿、構わんか?」

    女勇者「うん、私はいいよー?」

    戦士「では。なにか必要なものは?」

    女勇者「うーん、じゃあ薬草を5個お願いできる?」

    戦士「了解した」

    ガチャ

100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:29:12.15 id:eb4i6JJDO
    金…いやな予感しかしない。

103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:31:41.77 ID:9k/qoNm4O
    女勇者「さて!じゃあ行こうか!」

    僧侶「ふぇ?どこにですか?」

    女勇者「決まってるじゃない!戦士くんの後をつけてみようよ」

    魔法使い「え…」

    女勇者「だって、個人的にほしいものって何だか気にならない?」

    僧侶「そ、それは気になりますけどぉ…」

    魔法使い「もしかしたら武器とかじゃないですか?戦士さんは武器好きそうだし」

    女勇者「そうかな?えへへ、とにかくついていってみようよ!ね?」

    魔法使い「もう、しょうがないですねぇ…」くす

    女勇者「やったぁ!」

106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:34:36.60 id:eb4i6JJDO
    ファミチキ下さい!

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:37:31.65 ID:9k/qoNm4O
    戦士「…」スタスタ

    女勇者(お、まずは道具屋さんだね)

    僧侶(まず最初にお使い頼まれたものを買いに行くんですね。偉いですぅ)

    魔法使い(え?普通そうじゃありませんか?)

    僧侶(えへへ、私は最初に自分のほしいもの買っちゃって、お金足りなくなったりするんです)

    戦士「すまないが、薬草をくれ。5つ」

    道具屋「はいよ、薬草。誰か病気でもしたのかい?」

    戦士「いや、旅の途中なのでな。備えだ」

    道具屋「ってことは、あんた勇者様一行かい?そういう事なら、ほら。これサービスだよ」

    戦士「おお、かたじけない」

    僧侶(道具屋のおばちゃん優しいですねぇ)

    女勇者(戦士くんが男前だからだね。感謝感謝)

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:41:58.66 id:GYJZyWFpO
    魔法使いかわいい

110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:43:47.69 ID:9k/qoNm4O
    戦士「…」スタスタ

    魔法使い(今度は武器屋に向かいましたね)

    僧侶(やっぱり武器好きなんですね。うふふ、この前鋼の剣買ってもらったばっかりなのに)

    女勇者(新しい武器欲しいのかな?言ってくれれば買うのに)

    戦士「親父。すまないが、買い取って欲しいものがあるんだが」

    親父「おう。品物見せな」

    戦士「以前私が使っていた武器だ。古いものだが、買い取ってくれるか?」

    親父「ほぉ…かなり使い込まれてるな。悪いが、400Gが限界だな」

    戦士「おお!十分だ。それから、この…」

    女勇者(昔の剣を…売っちゃった…あんなに大切にしてたのに)

    僧侶(そんなにお金が必要なのかな…?)

    魔法使い(…?)

115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:49:13.66 ID:9k/qoNm4O
    魔法使い(あ!)

    女勇者(魔法使いちゃん?どうしたの?)

    魔法使い(いえ、その…お金の使い道…っていうか、その)

    僧侶(?)

    魔法使い(えっと…この街の外れに、そういうお店があるんです)かぁぁ

    女勇者(ああ、そういえばあったかも)

    僧侶(??)

    魔法使い(もしかしたら、そこに…行かれるのかもしれません)

    女勇者(えへへ、戦士くんも男の人だもんねぇ。そっかぁ)

    僧侶(どういうことですかぁ?)

    魔法使い(ですから…今日は、女の人と泊まるでしょう?だから…そう、転職!転職しに行くんですよ)

    僧侶(ふぇ?もう転職できるんですかぁ?)

    女勇者(あはは、僧侶ちゃんは知らなくていいよー)なでなで

117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:52:55.72 id:ybYR/Fja0
    戦士が賢者に転職するんですね


119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 10:56:45.66 ID:9k/qoNm4O
    戦士「ありがとう。すまないな、ワガママを聞いてもらって」

    親父「おうよ。頑張りな。応援してるぜ」

    戦士「うむ。それでは、また寄らせてもらう」

    親父「おー。またよろしくな」

    僧侶(あ、今度は防具屋さんですね)

    魔法使い(あ、あれ…?違うのかな?)

    女勇者(戦士くんが剣を売ってまでそんな事するはずないって信じてたよ!)


    戦士「邪魔する」

    防具屋「いらっしゃいませ。何をお求めでしょうか?」

    戦士「…ドレスを見せてくれ」

    防具屋「……はい?」

    女勇者(!!)

133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 11:06:01.15 ID:9k/qoNm4O
    戦士「あー。その…仲間に女性が居るんだ」

    防具屋「なるほど。でしたら、こちらがございますよ」

    防具屋「皮のドレス 450G
        シルクのドレス 2000G
        花嫁のドレス  8000G」

    戦士(所持金460G…)

    戦士「…この、皮のドレスという奴は、女性が着ても恥ずかしくないものか?」

    防具屋「そうですねぇ。おしゃれとは言えませんが、普段着になさるなら問題ないかと」

    戦士「そうか…。よし、これをくれ」

    防具屋「かしこまりました。ありがとうございます」

136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 11:11:43.84 id:PnW7DRLU0
    薬草8G×5=40と端数60Gでちょうど100Gだから細かいとこまで考えてるなーとか思っちゃった

140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 11:17:26.83 ID:9k/qoNm4O
    女勇者(戦士くん…)

    魔法使い(戦士さん、疑っちゃってごめんなさい…)

    僧侶(わぁ…。戦士さん、優しいなぁ)

    戦士「ありがとう。では…邪魔したな」

    防具屋「ありがとうございました」ペコリ

    がちゃ

    戦士「…」スタスタ

    女勇者「戦士くん!!」

    戦士「うわ?!ゆ、勇者殿?」

    女勇者「えへへへ」ニコニコ

    戦士「…見ていたのか」

    女勇者「えへ、ごめんなさい!!」ニコニコ

    戦士「……お恥ずかしい」

143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 11:27:00.13 ID:9k/qoNm4O
    女勇者「これ、私に?」

    戦士「…高価なものではないのだが。本当はもう少しいいものをあげたかった」

    女勇者「ううん。嬉しいよ!ありがとう戦士くん!」

    戦士「喜んでくれれば幸いだ。…君は、俺たちとは違って望んで戦っているわけではない」

    女勇者「…戦士くん」

    戦士「しかし、これくらいの事は罰が当たらないだろう。似合うと思うぞ」

    女勇者「…えへへ。泣かそうとしてるでしょ?」

    戦士「いや、そんなつもりでは…」

    女勇者「ふふ。さっそく装備して来ていい?」

    戦士「ああ、もちろんだ」


    たったった

    女勇者「えへへ。戦士くん、ありがとう…」

    女勇者 
    皮のドレス E
    防御力 999 → 999

144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 11:28:56.49 id:KN7GktWo0
    防御力自重wwwwww

145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 11:29:05.18 ID:3QDw7dTV0
    ちょwww勇者強すぎwww

147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 11:29:39.73 id:fmNkNjceO
    チートすぎる

148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 11:30:14.68 id:A4ty7EGZO
    なんという防御力www

150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 11:35:09.17 ID:9k/qoNm4O
    【宿屋】

    女勇者「はー、今日はいい日だったなぁ」ニコニコ

    魔法使い「うふふ。戦士さん、優しいんですね」

    僧侶「勇者様もよく似合ってますよ。戦士さん、あんなに喜んでくれるとうれしいですね」

    戦士「まったくだ。勇者殿、本当によく似合っている」

    女勇者「本当?かわいい?」

    僧侶「とってもかわいいですよ。きっとモテモテでしょうねぇ」

    女勇者「…えへへ、そうだったらいいなぁ。普通の街娘に生まれてたらねぇ」

    戦士「…」

152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 11:41:19.58 ID:9k/qoNm4O
    戦士「勇者殿。はやく戦いを終わらせよう」

    女勇者「…」

    戦士「きっと戦いが終われば…世界が平和になれば、勇者殿も普通の生活が出来るようになる」

    戦士「戦いのない、平和な世界のために…今は頑張ろう」

    女勇者「うん。そうだね。いつか…いつか、平和な世界を見てみたいな」

    戦士「?」

    女勇者「もし、もしもだよ?世界が平和になったとき、私がその世界にいなくても…」

    女勇者「皆、その世界をしっかりよろしくね?」

    僧侶「勇者様、それって…途中で死んじゃったりしたらってことですか?」

    僧侶「嫌ですよぅ、そんなの嫌…絶対、みんなで世界を平和にしましょうね?」

    女勇者「僧侶ちゃん…。うん、そうだね。今はとにかく頑張ろう!」ニコ

156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 11:47:31.00 ID:9k/qoNm4O
    魔法使い「勇者様」

    女勇者「なぁに?魔法使いちゃん」

    魔法使い「勇者様はなにか抱え込まれているようですね。私たちにはどうする事もできない何か」

    女勇者「え?そう見える?」

    魔法使い「はい、なんとなくですが…。無理にとは言いません。それでももし、一人で抱え込むのが辛くなったら」

    魔法使い「そのときは、ぜひ私たちに打ち明けてください。私たちは、仲間ですから」ニコ

    女勇者「…魔法使いちゃん。ありがとう」

    魔法使い「いえ。まぁ、なんとなくなんですけどね」くす

    女勇者「ふふ、そっかぁ。ま、今日は寝ようか!」

    戦士「そうだな。明日も早い。今日はゆっくり休もう」

    僧侶「おやすみなさぁい」

    女勇者「うん!おやすみー」ニコ

161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 11:53:02.09 ID:9k/qoNm4O
    ~♪

    女勇者「ふあぁ…よく寝たー!ん?」

    僧侶「すぴー…すぴー…」

    女勇者「な、なんで僧侶ちゃんが私のベッドに…?」

    僧侶「すぴー…すぴー…」

    女勇者(それにしても可愛い寝顔だなぁ…)

    女勇者(こうして見ると、ほんとにただの女の子みたい…)なでなで

    僧侶「すー…う、ぅ…?」

    女勇者「あ、起きちゃった」

166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 11:59:32.07 ID:9k/qoNm4O
    女勇者「おはよー、僧侶ちゃん!」ニコ

    僧侶「ふぇ?あ、おはようございますぅ…」ごしごし

    女勇者「ふふ、まだ眠そうだね。で、どうして私のベッドにいるの?」

    僧侶「え…?え?」

    女勇者「まさか、寝ぼけて?」

    僧侶「え?えぇ!?すすす、すみませぇんっ!」がばっ

    女勇者「いいんだけどねー。どうしたの?怖い夢でも見た?」

    僧侶「え…と、そういえば見た気がします…で、誰かのベッドに一緒に入らせてもらって…」

    女勇者「あはは、もう!朝っぱらから僧侶ちゃんだねぇ。戦士くんのベッドだったらどうするのー?」

    僧侶「あぅ…すみません」

170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 12:11:07.54 ID:9k/qoNm4O
    魔法使い「おはようございます」

    戦士「もう起きていたのか。おはよう」

    女勇者「おはよー!二人ともはやいねー」

    魔法使い「はい、私は朝は早いので…」

    戦士「俺は早朝稽古があるのでな」

    女勇者「うんうん、頼もしいね!今日は出発したらさくさく進めちゃおうね」

    戦士「そうだな。一刻も早く魔王を倒そう」

    女勇者「うん!」

202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 13:52:12.66 ID:9k/qoNm4O
    【数日後・中盤】

    戦士「もうずいぶん遠くにきたな…」

    女勇者「そうだね。皆見違えるくらい強くなったよ!」

    僧侶「次の街はどんな所なんでしょうねー?」

    女勇者「ああ…そうか、次の街は…」

    魔法使い「?勇者様、どうなさいました?」

    女勇者「え?うん、ちょっとねー」

206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 13:55:53.99 ID:9k/qoNm4O
    【新しい町】

    僧侶「わぁ。綺麗な町ですねぇ!」

    魔法使い「本当。でも…町人達がなんだか暗いような…」

    戦士「勇者殿。そういえば、ここは確か『いけにえの町』と呼ばれる所では?」

    女勇者「うん、そうだよー。そんな呼ばれ方もしてるみたいだね」

    戦士「しかしいけにえとは…一体なぜ?」

    魔法使い「宗教の関係でしょうか?とりあえず町長さんに話を聞きに行きましょう」

    僧侶「そうですね!」

    女勇者「うん、そうしよー!戦士くん、先頭よろしくね」

209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 14:02:20.11 ID:9k/qoNm4O
    【町長の家】

    町長「おお、ではあなた方が勇者様ご一行ですか…」

    女勇者「そうです!」

    魔法使い「あの、町長さん。失礼ですがここは『いけにえの町』なんて呼ばれているそうですね」

    女勇者「…」

    魔法使い「なにか儀式があるのですか?」

    町長「……わしらの問題です。余計な事はせんで下さい」

    僧侶「え?」

210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 14:06:22.79 ID:9k/qoNm4O
    がちゃ

    バタン

    戦士「なにか、重大な事のようだな…」

    魔法使い「困っている事は間違いなさそうなんですけど」

    僧侶「あれ?誰か私達の所に走って来ましたよ」

    タッタッタ…

    町人「失礼します…あなた様が勇者様ですか」

    女勇者「はい、そうですよー!どうしました?」

211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 14:12:40.77 ID:9k/qoNm4O
    町人「実は…ご存知かも知れませんが、この町はいけにえの町と呼ばれています」

    僧侶「らしいですね。…どうしてなんですか?」

    町人「…魔物に…差し出されるのです。毎年、齢16を迎える娘を一人差し出さなければ、町を襲われると」

    戦士「なんだと…」

    町人「そして…今年いけにえにされるのが、私の娘なんです」

    僧侶「そんなの、許せません!」

215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 14:19:02.00 ID:9k/qoNm4O
    町人「この町は今までそうしてもってきました。今年もそうして町は無事に済むでしょう」

    町人「…しかし、私には我慢できないのです。私一人のわがままで町を危険に晒すわけにはいかないのですが」

    町人「…なんとか、助けていただけないでしょうか?私の…ただ一人の家族なのです」

    戦士「もちろん。引き受けましょう」

    僧侶「はいっ。こんなの黙って見過ごせません!ね、勇者様?」

    女勇者「…うん!」

218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土) 14:27:24.07 ID:9k/qoNm4O
    女勇者「…」

    僧侶「魔物を倒せば、いけにえもなくなるんですよね?その魔物というのはどこに居るんですか?」

    町人「南の洞窟に居ます。そして…いけにえにされるのは、明日なのです」

    戦士「時間の猶予はない訳だな。勇者殿、疲れているだろうがすぐに出発しよう」

    女勇者「そうだね!皆、大丈夫?」

    僧侶「もちろんですぅ!魔法使いさん、大丈夫ですよね?」ぐっ

    魔法使い「はい。すぐに行きましょう」

    町人「ありがとう…ございます……」

    女勇者「お父さん」

    町人「はい」

    女勇者「あなたのした事は間違ってないよ」

 

続く